精選版 日本国語大辞典 「寂」の意味・読み・例文・類語
じゃく【寂】
せき【寂】
さび・る【寂】
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ある物の本質が,閑寂枯淡な味わいとなって,物の表面ににじみ出るときの美的興趣をいう。物の本質を究めることを至上の課題とした中世の仏教的認識論を母胎として,俗悪華美な世俗の価値観や美的嗜好に対する批判の形で生まれてきた。中世の歌論・連歌論などでは,〈ひえ〉〈やせ〉〈からび〉などと並んで,美の究極的境地として高く評価され,利休たちの〈侘数寄(わびずき)〉の茶のほか,以後の日本人の生活態度全般,ことにその美的嗜好に大きな影響を与えている。なお,俳諧の〈さび〉は中世の〈さび〉に,さらに俳諧固有の滑稽・諧謔のいぶしがかけられている。ただ,芭蕉自身が〈さび〉を語った例は少なく,去来の句〈花守や白きかしらをつき合せ〉を〈さび色よくあらはれ,悦(よろこび)候〉(《去来抄》)と評したのが最も確かな資料の一つといわれる。なお,去来によると,その微妙な味わいは,たとえていえば,老人が甲冑に身を固めて華々しく奮戦しても,また錦繡を着飾って御宴にはべっても,そこにおのずからにじみ出る老の姿があるようなものだという。
→しをり →侘(わび)
執筆者:堀 信夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…これを巻頭に出すために,発句編は冬・夏・秋・春という異例の四季部立をとる。去来が〈猿蓑は新風の始,時雨は此集の美目〉と自賛するように,巻頭から続く〈しぐれ〉の13句が蕉風美の“さび”を印象づけている。全382句。…
…発句においても取り合わせたイメージの交流する効果を〈行きて帰る心の味〉と称した。なかでも,イメージの交流が単なる映発でなく,互いに否定的契機として働くとき,陰影を帯びた複雑微妙な色合いを生むのを〈さび〉と称した。元禄俳壇には,安易な描写型表現として叙景句が流行したが,蕉風俳諧の理念は景情融合にあった。…
※「寂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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