尾花（読み）おばな

精選版 日本国語大辞典

お‐ばな を‥【尾花】

〘名〙

① (花の形が、けものの尾に似ているところから) ススキの花穂。はなすすき。《季・秋》

※万葉（８Ｃ後）二〇・四二九五「高円(たかまと)の乎婆奈(ヲバナ)吹き越す秋風に紐解きあけなただならずとも」

② (①が風にそよぐさまが手招きに似ているところから) 手招きの様子をすること。

※雑俳・玉の光（1844‐45）二「をいをいをい・たけた蕨が尾花する」

③ 襲(かさね)の色目の名。表は白、裏は薄縹(うすはなだ)。狩衣(かりぎぬ)などの染色で、秋に用いる。花薄(はなすすき)。

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

お‐ばな〔を‐〕【尾花】

１ 《馬などの尾に似ているところから》ススキの別名。また、ススキの花穂。秋の七草の一。はなすすき。《季 秋》「牛群れて小川を渡る―かな／鳴雪」
２ 襲かさねの色目の名。表は白、裏は薄縹うすはなだ。秋に用いる。

出典　小学館

動植物名よみかた辞典　普及版

尾花 (オバナ)

植物。イネ科の多年草,園芸植物。ススキの別称

尾花 (オバナ)

植物。花薄の別称

出典　日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典　普及版」

世界大百科事典（旧版）内の尾花の言及

【ススキ(芒∥薄)】より

…尾花の名で秋の七草の一つに数えられるイネ科の多年草（イラスト）。日本全土の日当りのよい山野に普通にみられ，群生することが多く，茎葉が密生して大株となる。…

※「尾花」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」