岩戸景気(読み)いわとけいき

精選版 日本国語大辞典 「岩戸景気」の意味・読み・例文・類語

いわと‐けいき いはと‥【岩戸景気】

〘名〙 昭和三四年(一九五九)から同三六年にかけて続いた好景気のこと。昭和三〇年からの神武景気を上回る好景気の意で、神武をさかのぼったもの。

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デジタル大辞泉 「岩戸景気」の意味・読み・例文・類語

いわと‐けいき〔いはと‐〕【岩戸景気】

昭和33年(1958)7月から、昭和36年(1961)12月まで、42か月間続いた景気拡大期の呼び名の一。神武景気を上回るところから、天の岩戸以来という意味で名づけられた。第四循環の拡張期に当たる。→景気循環

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岩戸景気」の意味・わかりやすい解説

岩戸景気
いわとけいき

1958年7月から 1961年12月まで続いた第4循環の景気拡大局面の俗称であり,いざなぎ景気平成景気に次いで第2次世界大戦後,第3位の長さ(42ヵ月間)を誇る。神武景気をしのぐ大型景気ということから,天の岩戸神話にちなみ岩戸景気と命名された。活発な技術革新により「投資が投資を呼ぶ」という設備投資主導の景気拡大が生まれ,同時に 1959年の皇太子明仁成婚を機に白黒テレビが爆発的に売れて,「三種の神器」と呼ばれた家庭用電気機器(テレビジョン,電気冷蔵庫,電気洗濯機)が急速に普及していった。また 1960年12月に国民所得倍増計画が発表され,本格的な高度経済成長の時代に突入した。

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世界大百科事典(旧版)内の岩戸景気の言及

【高度経済成長】より

…56年日ソ国交回復と国連への加入が実現し,国際社会に日本が正式に復帰したことにより,貿易が拡大した。1955年以来の好況は57年,58年にいったん〈なべ底景気〉を迎えるが,59年には設備投資の増加,耐久消費財の大幅な普及によってふたたび好況に転じ,59年後半期から60年後半期にかけては,〈岩戸景気〉といわれる活況を呈していた。 自由民主党結成以後の鳩山,岸信介両内閣は,憲法改正,再軍備を目標とし,占領下の吉田茂政治を否定し,戦前の軍事大国への復帰をめざす政策を進めた。…

※「岩戸景気」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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