俳諧日記。芭蕉著。1巻。1691年(元禄4)成立。同年4月18日より5月4日まで嵯峨にある向井去来の落柿舎に滞在した際の日記。芭蕉の発句11,門人の発句14,付合2をも収める。交遊と独居の描写が主で,旅の日記文学紀行に対し,庵住生活を描いた日記文学を目ざしたものであろう。主題が,庵住独居の楽しみ,また伝統的隠逸思想へつながる喜びを述べることにあったことは,〈客は半日の閑を得れば,あるじは半日の閑をうしなふ〉〈人来たらず,終日閑を得〉など,木下長嘯子(ちようしようし)のことばの引用からもうかがえる。所収の一句〈うき我をさびしがらせよかんこどり〉は,その意味できわめて象徴的であった。
執筆者:井上 敏幸
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
半夏ともいう。七十二候の一つで,本来は夏至後 10日目から小暑の前日までをいったが,現行暦では太陽の黄経が 100°に達する日 (7月1日か2日) を半夏生とし,雑節の一つとして記載している。この頃半...