差遣(読み)サケン

デジタル大辞泉 「差遣」の意味・読み・例文・類語

さ‐けん【差遣】

[名](スル)公の使者として派遣すること。「使節差遣する」
[類語]送る遣る送り出す出す発する派する差し向ける差し遣わす差し立てる遣わす回す差し回す派遣する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「差遣」の意味・読み・例文・類語

さし‐つかわ・す ‥つかはす【差遣】

〘他サ五(四)〙 (「さし」は接頭語)
① (上位者が命じて)使者や軍勢をさしむける。派遣なさる。
※忠岑集(10C前)「先のすべらの おほせにて 白雲ゐなる かひがねに さしつかはしし 時にわが 夢々よと 宵ごとに ちぎりしことは」
平家(13C前)二「今度は李広と云ふ将軍仰せて、百万騎をさしつかはす」
② 人、物、金銭などを先方に送り与える。回してやる。
今昔(1120頃か)二八「本食ける器に、今少し残たりけるに、下(おろ)しを指遣(さしつかはし)たりけるは」

さし‐や・る【差遣】

〘他ラ四〙
① (「さし」は接頭語) 手もとから物を離しやる。むこうに届くようにする。届かせる。
蜻蛉(974頃)上「硯ひきよせて、てならひに、〈略〉とて、さしやりたれば、うちわらひて」
② (船などを)進ませる。
源氏(1001‐14頃)椎本「遊びに心入れたる君だち誘ひて、さしやり給ふほど」

さ‐けん【差遣】

〘名〙 公用の使として行かせること。派遣すること。
日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉二「征討上番の事あるときは、国司は右名簿に拠りて次を以て差遣するなり」 〔旧唐書‐職官志二〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「差遣」の読み・字形・画数・意味

【差遣】さけん

派遣。〔梁書、武帝紀下〕已に定まり、王略方(まさ)に擧ぐ。~其の餘の衆軍は、日を計(かぞ)へて差し、初中後の師、善く嚴するを得しめよ。は六軍雲動に當り、舟もて江を濟(わた)らん。

字通「差」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の差遣の言及

【宋】より

…宋代になると,旧来の〈官〉はほとんどが職掌をもたず,ただ官員の序列と俸禄の高とを示すものにすぎなくなった。実際に職務を帯びるのは,《大唐六典》には記載されない令外の〈差遣〉であった。ほかに科挙に及第した文学の士に授ける館職,略して〈職〉があった。…

※「差遣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android