己が(読み)おのが

精選版 日本国語大辞典 「己が」の意味・読み・例文・類語

おの‐が【己が】

連語〙 (代名詞「おの」に格助詞「が」の付いたもの)
① (連体格) 自分の。まれに準体法にも用いられる。→己(おの)
② (主格) 自分が。→己(おの)
③ (連体格・主格) おまえの。おまえが。下賤な者に対して用いる。→己(おの)。〔日葡辞書(1603‐04)〕

おのれ【己】 が

(下に「何をいう」「何をする」の意味のことばを略した形で、相手を叱責する時に用いる) こいつめが。
※天正本狂言・茶ぐり(室町末‐近世初)「二人の者、ゆびさしして、おのれが。とくとく。とめ」

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デジタル大辞泉 「己が」の意味・読み・例文・類語

おの‐が【己が】

[連語]《代名詞「おの」+格助詞「が」》
(連体格として)
㋐《「おの」は反射指示》自分自身の。各自の。「己が罪におののく」
「―分を知りて」〈徒然・一三一〉
㋑《「おの」は一人称》自分の。わたしの。「己が志、いまだ果たせずにいる」
㋒《「おの」は二人称》おまえの。
「―しゅうは、わが口によりて人にてもおはするは知らぬか」〈宇治拾遺・一〇〉
(主格として)
㋐《「おの」は反射指示》自分自身が。各自が。
「あるいは―行かまほしき所へいぬ」〈竹取
㋑《「おの」は一人称》自分が。わたしが。
「―あらむ此方こなたは」〈真木柱

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