府君(読み)フクン

デジタル大辞泉 「府君」の意味・読み・例文・類語

ふ‐くん【府君】

中国代、太守尊称
亡祖父・亡父を敬っていう語。
尊者長者を敬っていう語。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「府君」の意味・読み・例文・類語

ふ‐くん【府君】

[1] 〘名〙
① 中国の漢代に、府の太守の称。明府。また、地方民が官吏を呼ぶ語。転じて、長者・尊者の称。
※菅家文草(900頃)三・致河陽駅、有感而泣「去歳故人王府君、駅楼執手泣相分」 〔後漢書‐方術伝・華佗
② 死んだ父祖を敬っていう語。
※本朝文粋(1060頃)七・奉右大臣書〈小野篁〉「幸願蒙府君之恩許。共同穴偕老之義」 〔韓愈‐魏博節度観察使沂国公先廟碑銘〕
[2] 神の名。泰山府君
雑談集(1305)七「太山府君の社に、宿せる事有けり」

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普及版 字通 「府君」の読み・字形・画数・意味

【府君】ふくん

太守の尊称。また、吏・先考の尊称。明・方孝孺〔府君哀辞〕洪武丁巳、秋九十日、浦陽の義門世の長府君、年七十二、家に卒(しゆつ)す。卒するの日、其の耋老(てつらう)子弟、相ひ携へて來(きた)り哭すること、母を喪(うしな)ふが如し。

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