延滞税(読み)エンタイゼイ

デジタル大辞泉 「延滞税」の意味・読み・例文・類語

えんたい‐ぜい【延滞税】

国税法定期限までに納めない場合に加算される税。

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精選版 日本国語大辞典 「延滞税」の意味・読み・例文・類語

えんたい‐ぜい【延滞税】

〘名〙 国税が法定の期限までに納付されない場合に、その納付が遅れたことに対する制裁として課される税。
所得税法(1947)五五条「予定税額について〈略〉延滞税の額の計算をする場合においては」

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改訂新版 世界大百科事典 「延滞税」の意味・わかりやすい解説

延滞税 (えんたいぜい)

納税義務者が法定納期限内に国税を完納しない場合に,その未納付税額および不納付の期間に応じて課せられる金銭的負担。付帯税一種納税義務履行遅滞に伴う損害につき納税義務者の支払うべき遅延賠償と納付遅延に対する遅延利息とに相当する。延滞税は,期限内申告により納付すべき国税を法定納期限までに完納しない場合,期限後申告・修正申告・〈更正・決定〉により納付すべき税額がある場合,納税告知により納付すべき国税を法定納期後に納付する場合,あるいは予定納税もしくは源泉徴収による国税を法定納期限内に完納しない場合に,課される(国税通則法60条1項)。延滞税額は,法定納期限の翌日からその国税を完納する日(当日算入)までの期間に応じ未納付税額に年14.6%を乗じて算出する。ただし,法定納期限までの期間または法定納期限の翌日から1月を経過する日までの期間については,未納付税額に年7.3%を乗じて算出する(60条2項)。延滞税は,本税が法定納期限を経過してもなお納付されない事実の生じたときに成立すると同時に,なんら特別の確定手続を必要とせず自動的に確定し(15条3項8号),租税行政庁の納付請求がなくとも納税義務者において自主的に納付しなければならない。地方税法は,延滞税と利子税とに相当する延滞金という用語を使う(64条,72条の44,72条の45の2等)。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「延滞税」の意味・わかりやすい解説

延滞税
えんたいぜい

国税の附帯税の一つ。国税通則法 60~63条の規定に基づき,租税を法定の納付期限までに完納しなかった場合に,その未納額と納付の遅延した期間とに応じて賦課される制裁的性質をもつ税。納税者は,本来納付すべきであった税額に延滞税を加えた額を納付しなければならない。この税は納付遅延の事実が発生すると同時に特別の手続を要することなく自動的に成立する。税額は特別な場合を除き法定納付期限の翌日から完納する日までの期間の日数に応じて未納税額に年 14.6%の率で計算されるが,法定納付期限の翌日から1ヵ月以内については年 7.3%の率が適用される。また災害など特別の理由により納税の猶予が認められた場合は延滞税は免除される。なお地方税においては国税の延滞税および利子税に相当する税を延滞金と呼んでいる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「延滞税」の意味・わかりやすい解説

延滞税
えんたいぜい

税法には納税者の権利保護の規定が設けられているとともに、義務を果たさない納税者には納税を促進させるための直接的、間接的な強権発動の規定が設けられている。延滞税は間接的に納税を促進させるための制度であり、租税行政罰の一つである。延滞税は、納税者が国税を法定納期限までに完納しない場合に課されるもので、未納額部分につき年14.6%の割合を乗じて、法定納期限の翌日から完納の日までの滞納期間の日数に応じて計算される。ただし、期限後申告や修正申告、更正・決定などで法定納期限と具体的納期限とが異なる場合には、負担の軽減の趣旨で、具体的納期限までの期間およびその翌日から1か月間に対しては年7.3%の割合を乗じて計算される。延滞税は、その計算の基礎となる国税とあわせて納付しなければならない。なお地方税では、延滞税と同じ性格のものが延滞金とよばれている。

[林 正寿]

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百科事典マイペディア 「延滞税」の意味・わかりやすい解説

延滞税【えんたいぜい】

納税義務者が国税を滞納した場合,未納税額に対して滞納期間に応じて課される付帯税。年14.6%(納期限後2ヵ月は年7.3%)の割合。地方税は延滞金といい,国税に準ずる。

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会計用語キーワード辞典 「延滞税」の解説

延滞税

定められた期限までに税金が納付または完納されない場合に、法定納期限の翌日から納付する日までの日数分、遅延損害金に相当する税のこと。本税にのみ課税され、附帯及び過怠税に課されることはありません。

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