引板(読み)ヒタ

デジタル大辞泉 「引板」の意味・読み・例文・類語

ひた【板】

《「ひきいた」の音変化》「鳴子なるこ」に同じ。 秋》
「わが門のむろのはや早稲かり上げておくてにのこる―の音かな」〈宇治百首〉

ひき‐いた【引(き)板】

鳴子なるこ」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「引板」の意味・読み・例文・類語

ひた【引板】

〘名〙 (「ひきいた(引板)」の変化した語) 田や畑に張りわたして鳥などを追うためのしかけ。細い竹の管を板にぶらさげ、引けば鳴るようにしかけたもの。鳴子(なるこ)。おどろかし。また、流れ落ちる水に板をあてて、音を鳴りひびかせる装置もいう。《季・秋》
源氏(1001‐14頃)夕霧「鹿は〈略〉山田のひたにも驚かず」

ひきた【引板】

〘名〙 (「ひきいた」の変化した語) 鳴子(なるこ)のこと。
万葉(8C後)八・一六三四「衣手水渋(みしぶ)つくまで植ゑし田を引板(ひきた)吾が延(は)へ守れる苦し」

ひき‐いた【引板】

〘名〙 =なるこ(鳴子)(一)①《季・秋》 〔元和本下学集(1617)〕

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