後藤梨春(読み)ごとうりしゅん

精選版 日本国語大辞典 「後藤梨春」の意味・読み・例文・類語

ごとう‐りしゅん【後藤梨春】

江戸中期の本草学者。名は光正。号、梧桐庵。江戸の人。田村藍水(らんすい)師事。著に「本草綱目補物品目録」「和産目録」「紅毛談」など。元祿九~明和八年(一六九六‐一七七一

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朝日日本歴史人物事典 「後藤梨春」の解説

後藤梨春

没年:明和8.4.8(1771.5.21)
生年元禄9(1696)
江戸中期の本草・博物学者,蘭学者。名は光生,梨春は字,通称は太仲,号は梧桐庵,梧陰庵。本姓は能登国(石川県)七尾城主多田氏,父義方のとき後藤改姓。江戸の生まれ。長じて田村藍水に本草学を修学。宝暦7(1757)年から同10年にかけて江戸と大坂で催された物産会に出品。明和2(1765)年に江戸の私立医学校躋寿館の都講となり本草学を講ず。オランダ地理,暦法,物産,科学機器などを紹介した『紅毛談』はわが国最初の電気文献。これにアルファベットを載せたため幕府絶版を命ぜられたというが検討の余地がある。<著作>『本草綱目補物品目録』『春秋七草』『震雷記』

(吉田厚子)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「後藤梨春」の解説

後藤梨春 ごとう-りしゅん

1696-1771 江戸時代中期の本草家。
元禄(げんろく)9年生まれ。田村藍水(らんすい)にまなび,本草学で稲生若水(いのう-じゃくすい)とならび称された。江戸の医学校躋寿(せいじゅ)館の都講(教師)となり本草を講義。明和2年「紅毛談(オランダばなし)」を刊行するが,発禁となる。明和8年4月8日死去。76歳。江戸出身。本姓は多田。名は光生。通称は太仲。号は梧桐庵。著作に「春秋七草」など。

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世界大百科事典(旧版)内の後藤梨春の言及

【エレキテル】より

…オランダ語のelektriciteitがなまってエレキテル,さらに簡略化されて俗にエレキともいわれた。18世紀前半のヨーロッパで摩擦起電機やライデン瓶が発明され,電気ショックで人をおどろかせる見世物や遊び道具として人気を得たが,この知識が日本にもたらされ,後藤梨春(1702‐71)が《紅毛談(オランダばなし)》(1765)にはじめてエレキテルを紹介し,平賀源内は1776年(安永5)にはじめて蓄電器つきの摩擦起電機をつくった。以後,森島中良(1756‐1810),高森観好(1750‐1830),橋本宗吉(1763‐1836)などもつくっている。…

※「後藤梨春」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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