御供(読み)おとも

精選版 日本国語大辞典 「御供」の意味・読み・例文・類語

お‐とも【御供】

〘名〙 (「お」は接頭語)
主人などに付き従って行くこと。また、その人。
史記抄(1477)一一「子路がやがてをともせうと云たほどに」
料亭などで、帰る客を乗せる自動車
新西洋事情(1975)〈深田祐介〉日本「業者思想」欧州に死す「席を立てば立ったで、日本では『おとも、おとも』の声が〈略〉『業者』のあいだですさまじく飛び交い」
古物商などが物を買い取るとき、主だった品物と一緒に、ただ同様に持って行く品。
④ かご屋の用語で、かご賃をいう。
滑稽本・魂胆夢輔譚(1844‐47)三「『だんな、お供(トモ)をいただきたうござります』おともとはかごちんの事なり」

お‐そなえ ‥そなへ【御供】

〘名〙 (「お」は接頭語)
神仏へものを供えること。また、そのもの。供物(くもつ)
諸国風俗問状答(19C前)近江国多羅尾村風俗問状答「あからがしわと呼小豆の御供を、かしわの枯たる葉に盛て」
※雑俳・柳多留‐四(1769)「おそなへの次手に頼む三の糸」

ご‐くう【御供】

〘名〙 神仏へお供えする物。ごく。ごくもつ。
吾妻鏡‐文治二年(1186)六月一五日「安能寺務後始置仏神事〈略〉毎日調味御供事」
浄瑠璃信州川中島合戦(1721)三「殊にぎゃうさんな神前に御くうそなゆる様に」

ご‐く【御供】

〘名〙 (「く」は「供」の呉音) =ごくう(御供)
御湯殿上日記‐文明一〇年(1478)正月二四日「へんさいてんの御かくいつものことく御こくまいる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「御供」の意味・読み・例文・類語

お‐とも【御供/伴】

[名](スル)
目上の人などに、つき従っていくこと。また、その人。同行することをへりくだっていうのにも用いる。「そこまで私も―します」
料亭などで、帰る客のために呼ぶ車。「―が参りました」
[類語]従う付くくっつく随行随伴随従追随

ご‐くう【御供】

《「ごく」の音変化》神仏への供え物。くもつ。「人身ひとみ御供

ご‐く【御供】

ごくう(御供)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android