(読み)てっする

精選版 日本国語大辞典 「徹」の意味・読み・例文・類語

てっ‐・する【徹】

[1] 〘自サ変〙 てっ・す 〘自サ変〙
① 物事の奥底までとおる。つらぬきとおる。
※日本書紀兼倶抄(1481)「智は心の中からそこに徹(テッ)しておぼゆるぞ」
黄表紙・御存商売物(1782)下「一旦の約諾をへんがへたることと、無念骨髄に徹(テッ)し」
※土(1910)〈長塚節〉二七「寒さが骨に徹する夜のことを明瞭に頭に泛べて判断するには」
② 考え方や態度などが最後まで変わらないでつらぬかれる。徹底する。
侏儒の言葉(1923‐27)〈芥川龍之介〉日本人「歴史的事実に徹して見ようではないか」
③ 時間をずっと経過して、ある時点に至る。
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉一「暁に徹(テッ)するも敢て行んと欲す」
[2] 〘他サ変〙 てっ・す 〘自サ変〙
① 考え方や態度などを変えないで、つらぬきとおす。
日葡辞書(1603‐04)「ダウリヲ tessuru(テッスル)〈訳〉道理を最後まで通す」
② ある時間の初めから終わりまでをずっと経過する。
※妄想(1911)〈森鴎外〉「夜を徹してしまふこともある」
③ 最後まで行なって終わらせる。達する。
米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一「十二時に楽を徹す、衆みな散ず」

てっ‐・す【徹】

[1] 〘自サ変〙 ⇒てっする(徹)(一)
[2] 〘他サ変〙 ⇒てっする(徹)(二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「徹」の意味・読み・例文・類語

てつ【徹】[漢字項目]

常用漢字] [音]テツ(漢) [訓]とおる とおす
貫き通す。とことんまで行き届く。「徹底徹夜徹頭徹尾一徹貫徹透徹冷徹朗徹
[名のり]あきら・いたる・おさむ・とお・ひとし・みちゆき

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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