心拍子(読み)ココロビョウシ

デジタル大辞泉 「心拍子」の意味・読み・例文・類語

こころ‐びょうし〔‐ビヤウシ〕【心拍子】

歌いながら、心の中で拍子をとること。また、その拍子。
「私の―で謡ひまするによって」〈虎寛狂・二千石

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「心拍子」の意味・読み・例文・類語

こころ‐びょうし ‥ビャウシ【心拍子】

〘名〙
① 歌いながら頭の中で拍子をとること。また、その拍子。
※八帖花伝書(1573‐92)三「地謡をうたひ候時、扇をばさかてに持、かなめにてそと心拍子をうつべし」
② 心をはずませること。心のはずみ。
※浄瑠璃・堀川波鼓(1706頃か)中「轡(くつは)の音のしゃん、しゃんりんりんりゃりりんしゃりりんと、心ひゃうしに乗掛は六番がしら、使番」
謡曲で、謡の途中で、次の語を印象づけるために少し間を置くこと。声枕(こわまくら)
申楽談儀(1430)音曲の心根「ここには声枕を置くべし。今程、心びゃうしと言へり」
④ その人の思いつきの考え。また、意のままにすること。
梅津政景日記‐慶長一八年(1613)院内銀山籠者成敗人帳「主壱人の心拍子を以、此敷あけ候事不届候間、右之ことく申付候」

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