精選版 日本国語大辞典 「必」の意味・読み・例文・類語
かならず【必】
〘副〙
① 事実について認定し、行為を命じ、あるいは判断を下すにあたって、間違いなくその事実が認定でき、行為が実行され、判断が成立することへの、確言、強制、確信を表わす。間違いなく。確実に。たしかに。きっと。必ずとも。必ずも。必ずや。
※書紀(720)斉明四年五月(北野本訓)「万歳千秋の後に、要(カナラス)朕が陵に合せ葬れ」
※咄本・軽口露がはなし(1691)一「よそにて左様の言(こと)をかならず申されな」
② 特に、否定表現を伴って、確言、強制、確信が、絶対的ではないことを表わす。絶対に…(というわけではない)。きっと(…とは限らない)。
ひっ‐・する【必】
[1] 〘自サ変〙 ひっ・す 〘自サ変〙 必ずそうなるに決まっている。そうなることうけあいである。
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉二「その間成就すべき望も、必し(〈注〉ウケアヒ)がたく」
[2] 〘他サ変〙 ひっ・す 〘他サ変〙 心中に固く決心する。必ずそうなると決める。期する。
※太平記(14C後)二〇「拉(とりひしがんこと)二大敵於隻手中一必(ヒッセリ)矣」
ひつ【必】
〘名〙 間違いでないこと。仮でないこと。かならずそうであること。
※俳諧・芭蕉真蹟懐紙(1685)酒に梅「慈童が水に徳をあらそはん事、必とせり」
ひっ‐・す【必】
〘自他サ変〙 ⇒ひっする(必)
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