必然(読み)ひつぜん

精選版 日本国語大辞典 「必然」の意味・読み・例文・類語

ひつ‐ぜん【必然】

〘名〙
① (形動ナリ・タリ) 必ずそうなること。そのように帰着するに決まっていること。また、そのさま。必至。⇔蓋然偶然
菅家文草(900頃)八・叙澆淳「為樸為器、雖自然之必然
愚管抄(1220)六「宗廟の神も定めおぼしめしたる事は、今は道理にかないて必然なり」 〔国語‐鄭語〕
② (副詞的に用いて) 必ず。きっと。〔布令必用新撰字引(1869)〕
小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉下「此事実や実に疑もなき事実にして、必然(ヒツゼン)さる事のありしならめど」

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デジタル大辞泉 「必然」の意味・読み・例文・類語

ひつ‐ぜん【必然】

[名・形動]必ずそうなること。それよりほかになりようのないこと。また、そのさま。「必然帰結」「なまけたのだから不合格は必然だ」⇔蓋然がいぜん偶然
[類語]必至確実正確的確明確確か精確安全はっきり定か明らか明白確固確然必定最右翼本命有力鉄板必ず強いて敢えてむりやり努めてできるだけ極力なるたけなるべく可及的きっと絶対是非何としてもどうしても何が何でも是が非でも押してたってどうぞどうかくれぐれも願わくはなにとぞなんとかまげてひとつ必ずや不可避誓っててっきり違いないはず決まってすなわち否が応でも否でも応でもいやでもいやとも是非とも無理無理算段無理無体無理押し無理強制的強引強気強行独断独断的理不尽強硬頑強問答無用強要力尽く力任せ腕尽くごり押し断固一刀両断横柄威圧的否応無し頑として横紙破り横紙を破る有無を言わせず腕力に訴える横車を押す押し付けがましいねじ伏せる首に縄を付ける遠慮会釈もない遠慮高圧的高飛車頭ごなし押し通す押し付ける一方的豪腕勿論元より当然もっとも無論まさに当たり前ご無理ご尤も言うまでもない言わずもがな言をたない論をたない然も有りなん無理もない無理からぬ自然至当自明歴然歴歴一目瞭然瞭然灼然しゃくぜん明明白白明快明瞭画然顕然まさしく疑いなく然るべきすべからく言うに及ばず言えば更なり言うもおろか論無し推して知るべし隠れもない紛れもない理の当然妥当自明の理それもそのはずもっともっとも至極もっとも千万うべなるかなむべなるかな合点唯唯諾諾首肯うべなう賛成賛同果たして果たせるかな更にも言わず至極のみならず言わずと知れたくっきり諸手もろてを挙げる

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普及版 字通 「必然」の読み・字形・画数・意味

【必然】ひつぜん

必ずなる。〔商君書画策人は必然の理、必爲の時勢を知る。故に必治のを爲し、必の民を戰はしめ、必聽の令を行ふ。

字通「必」の項目を見る

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改訂新版 世界大百科事典 「必然」の意味・わかりやすい解説

必然 (ひつぜん)

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百科事典マイペディア 「必然」の意味・わかりやすい解説

必然【ひつぜん】

偶然

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世界大百科事典(旧版)内の必然の言及

【運命】より

…すなわち,〈さだめられしモイラ(運命)なれば,神とても逃るるあたわず〉というのがたてまえではあったが,アポロンはクロイソスの運命を大幅に緩和したのであった(《歴史》)。このようにギリシア人の運命についての考えは,現代人から見ればあいまいだということになるだろうが,モイラの類似語で〈必然〉と訳されるギリシア語の〈クレオンchreōn〉や〈アナンケanankē〉の場合も事情は同じであって,〈ソクラテス以前の哲学者たち〉の用例を見ると,これらの語は絶対的必然性absolute necessityではなくて一定のきまり,規準を意味している。したがって,しいて必然という訳を与えるにしても,それはあいまいな意味での必然と見なすべきである。…

【偶然】より

…〈必然〉と対をなす語で,必然が〈必ずそうであること〉を意味するのに対して〈たまたまそうであること〉を意味する。しかし,必然が多義的であるのに応じて,偶然も多様な意味をもつ。…

※「必然」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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