快然(読み)かいぜん

精選版 日本国語大辞典 「快然」の意味・読み・例文・類語

かい‐ぜん クヮイ‥【快然】

〘名〙
① (形動タリ) 心地よいこと。わだかまりがとけてさっぱりすること。また、そのさま。
万葉(8C後)五・八一五・右序文「淡然自放 快然自足」
地蔵菩薩霊験記(16C後)五「忽ち飢餲止み心意快(クイ)然たり」 〔漢書‐光武十王伝〕
② (形動) 病気がすっかりよくなること。また、そのさま。快気
※荊口宛芭蕉書簡‐元祿六年(1693)一一月八日「千川子瘧(おこり)久々御煩(わづら)ひ、いまほどは御快然珍重に存候
都鄙問答(1739)四「病気快然(クイゼン)を以て楽(たのしみ)とし」

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デジタル大辞泉 「快然」の意味・読み・例文・類語

かい‐ぜん〔クワイ‐〕【快然】

[ト・タル][文][形動タリ]気分がよいさま。楽しい気持ちのさま。
水兵は―と笑みつつ」〈蘆花不如帰
[名・形動ナリ]病気が治ること。快復すること。また、そのさま。
当今の御脳、日を追って―ならず」〈浄・手習鑑

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普及版 字通 「快然」の読み・字形・画数・意味

【快然】かい(くわい)ぜん

心地よいさま。晋・王羲之〔蘭亭修禊集の序〕其のを欣び、暫く己(おのれ)に得るに當りては、快然として自ら足り、曾(すなは)ち老の將(まさ)に至らんとするを知らず。

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