家庭医学館 の解説
せいこうふのうしょうせいきのうしょうがい【性交不能症(性機能障害) Impotence】
女性が高齢になり女性ホルモンが出なくなると、萎縮性腟炎(いしゅくせいちつえん)(老人性腟炎(「老人性腟炎(萎縮性腟炎)」))をおこして腟が狭くなるうえに、粘液(ねんえき)が少なくなることもあります。そして、性交の際には疼痛(とうつう)が出て、性欲は減退します。しかし、性交が不可能というわけではありません(「不感症(オーガズム不全)」)。
性交不能症とは、女性も男性も性欲があるにもかかわらず、物理的に性交できない場合と、精神的に性交できない場合をいいます。
[治療]
女性が性交できない場合の多くは、性的に未熟な少女、粗暴な性交、性交への恐怖、疼痛、羞恥心(しゅうちしん)、罪悪感など、精神的なものが原因になります。
このような場合には、障害になっている原因について、性交を避けたほうがいいのか、取り除くことができれば性交が可能かどうか、婦人科医の診断を受けてください。
性交不能症の原因が病的なものであれば、まず、原因になる病気の治療が必要になります。
まれに、女性の性器の解剖学的な理由による場合があります。たとえば、処女膜強靱症(しょじょまくきょうじんしょう)の場合です。この場合には、通常の性交では処女膜が破れず、性交できませんので、麻酔のうえ処女膜を切開(せっかい)し、性交を容易にします。
男性側の原因としては、性交に対する緊張による一時的なインポテンス(「インポテンス(ED/勃起障害)」)があります。また、日常生活にストレスが多い生活をしていると、インポテンスになることがあります。しかし、これも時間をかけ、女性も協力してプレッシャーを除けば解決できます。男性は、高齢になると徐々にインポテンスになりますが、これは避けられません。これに対する薬としてバイアグラ(商品名)が発売されています。
そのほかに、糖尿病や精神神経疾患のような病気が原因でインポテンスになることがあります。これは、原因になる病気が治療できれば、回復させることができます。