性(中国思想)(読み)せい

世界大百科事典(旧版)内の性(中国思想)の言及

【世碩】より

…《世子》21篇を著したと伝えられるが,つとに亡失した。後漢の王充の《論衡》によると,周の時代に,世碩は〈人の性には善なる要素と悪なる要素とがあり,その善性を養い育てれば善人となり,悪性を助長すれば悪人になる〉と述べたという。これは性についての最も早い論述であろう。…

【性即理】より

…北宋の程頤(ていい)(伊川)によって提唱され,南宋の朱熹(しゆき)(子)によって発展させられたテーゼ。程伊川と同時代の張載(横渠(おうきよ))は〈心は性と情とを統括する〉と述べたが,伊川―朱子によれば,性(本性)は理であるのに対して情(感情,情欲としてあらわれる心の動き)は気であるとされる。は本来善悪とは関係のない存在論的なカテゴリーであるが,朱子学では心を形づくる気は不善への可能性をはらむとみなすので,情=気の発動いかんによっては本来的に天から賦与されている善性=理がゆがめられるおそれがある。…

【性論】より

…心性論ともいう。人間の本性は善なのか悪なのかという問題は,中国思想史を貫く大きな論題であった。…

【陽明学】より

…それ以前は,王学,姚江(ようこう)の学(姚江は王守仁の出身地)などと呼称された。 朱子学を基調とした三大全(《性理大全》《四書大全》《五経大全》)が1413年(永楽11)に刊行されたことと,朱子学が科挙に採用されたこととが相まって15世紀は朱子学が学術思想界の主座を占めた。この時期の朱子学徒は広大な朱子学体系のうち,特に心性論に関心を集中した(性論)。…

※「性(中国思想)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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