悪目(読み)あくめ

精選版 日本国語大辞典 「悪目」の意味・読み・例文・類語

あく‐め【悪目】

〘名〙
刀身に生じた傷、錆など。
※俳諧・犬筑波集(1532頃)雑「思へ共しづの身なればしのびわび さがみがたなのあくめおほさよ」
② (一説に「飽目」の意とも) 他人に悪く見える点。欠点。おちど。
※文机談(1283頃)四「いまさらあくめのみえん事はほいなかるべきわざにはあらずや」
③ 悪い事情。落ちぶれた境遇
桐一葉(1894‐95)〈坪内逍遙〉二「如何なる家の悪目(アクメ)ぞや、諸神諸仏も見はなしたまふか」

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デジタル大辞泉 「悪目」の意味・読み・例文・類語

あく‐め【悪目】

悪い事情。落ち目。
「如何なる家の―ぞや、諸神諸仏も見はなしたまうか」〈逍遥桐一葉
他人に悪く見える点。欠点。落ち度。
「何を―に離別とは」〈浄・会稽山
刀にできる縦の裂け目
「―の出で来ぬべきに、見わづらひ侍る」〈仮・仁勢物語・下〉

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