意気(読み)イキ

デジタル大辞泉 「意気」の意味・読み・例文・類語

い‐き【意気】

事をやりとげようとする積極的な気持ち。気概。いきごみ。「その意気で頑張れ」「人生意気に感ず」
気だて。気性気前
「心のむさきを―のわるきなど言ふ」〈色道大鏡・一〉
意地。いきじ。
「張り少くて―も足りず、軽薄なれば」〈難波物語
[類語]士気精気溌剌志気景気元気

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「意気」の読み・字形・画数・意味

【意気】いき

いきごみ。心もち。〔史記、晏嬰伝〕其の夫、相のと爲り、~氣揚揚として甚だ自得す。にして歸る。其の妻、去らんことをふ。

字通「意」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

山川 日本史小辞典 改訂新版 「意気」の解説

意気
いき

江戸時代江戸中心にみられる美的理念の一つ。江戸深川の遊里(ゆうり)における通言であったものが市中に一般化したもの。「粋」の字をあてることも多く上方を中心にみられる「粋(すい)」と通うところもある。主として言語動作・身なりなどの都会的に洗練された美しさをいうときに使われる。のちには女性の張りのある色っぽさをもいうようになり,人情本(にんじょうぼん)に登場する女性たちに典型的に形象化されている。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の意気の言及

【いき】より

…ただし“粋”“通”が地域的・時代的限定を伴うのに対して,“いき”は江戸時代を通じて用いられ,現代にも通用している。本来は〈意気〉の漢字があてられるが,後には〈粋〉とも書かれて,より美的な理念となった。〈意気〉は〈意気地〉でもあり,人間が事に処してきっぱりとした決断を示す精神作用を称美したものであるが,江戸初期から遊里などで男女の精神的清潔さを称美する言葉として用いられ始め,以後“粋”や“通”といった理念の中の精神面を形成する重要な要素として存在し続け,江戸後期にいたって,いやみがなく,あだっぽい色気というような意味で用いられて流行語となった。…

※「意気」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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