押入(読み)おしいる

精選版 日本国語大辞典 「押入」の意味・読み・例文・類語

おし‐い・る【押入】

[1] 〘自ラ五(四)〙 (「おし」は接頭語)
① むりやりにはいる。強引にはいりこむ。
※後撰(951‐953頃)夏・一八二・詞書「さけたうべんとて、をしいりて侍りけるを」
曾我物語(南北朝頃)九「時宗座敷を立、二人が間におしいりて」
② ひっこむ。いりこむ。
仮名草子東海道名所記(1659‐61頃)五「湖水の東、右の方にをし入たるは、長面寺の観音なり」
[2] 〘他ラ下二〙 ⇒おしいれる(押入)

おし‐い・れる【押入】

〘他ラ下一〙 おしい・る 〘他ラ下二〙 物や人を、他の物の中へ押して入れる。押すようにして入れる。無理に入れる。
伊勢物語(10C前)六「あばらなる蔵に、女をば奥にをしいれて」
源氏(1001‐14頃)真木柱「ひめ君、檜皮(ひはだ)色の紙のかさね、ただいささかに書きて、柱の干割れたるはざまに、笄(かうがい)の先して、おしいれ給ふ」

おし‐いれ【押入】

〘名〙 日本間で、ふとんその他の道具などをしまっておく物入れ場所。普通は奥行三尺で、ふすま、戸などがついている。おしこみ。押し入れ戸棚。〔羅葡日辞書(1595)〕
※雑俳・柳多留‐一(1765)「押入の戸や絹張りて人を呼び」

おし‐いり【押入】

〘名〙 他人の家などに無理にはいりこむこと。また、そのようにして金品を強奪すること。また、その者。おしこみ。強盗
※金刀比羅本保元(1220頃か)下「郎等の一人落残たりけるに、打入、をし入せさせて、明しくらしけるほどに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

リフォーム用語集 「押入」の解説

押入

寝具衣類・道具などを収納するための空間。西洋建築にはない日本建築独特の空間で、洋風の住宅に見られる通常の収納に比べて、大きいのが特徴

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