振幅(読み)シンプク

デジタル大辞泉 「振幅」の意味・読み・例文・類語

しん‐ぷく【振幅】

物体振動しているときの、振動の中心から最大変位までの距離。振動の幅の半分。振りはば
[類語]距離横幅歩幅

ふり‐はば【振(り)幅】

《「振れ幅」とも》
物体が振動しているときの、振動の中心から最大変位までの距離。振幅しんぷく
(比喩的に)気持ちや考えの変化の幅。物事傾向変動の度合い。「感情振り幅が大きい」「振り幅の小さい相場」

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精選版 日本国語大辞典 「振幅」の意味・読み・例文・類語

しん‐ぷく【振幅】

〘名〙
① 物体が振動している時、静止、またはつりあいの位置から最大変位までの距離。振動の幅の半分。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕
上海(1928‐31)〈横光利一二三「彼は突然急激な振幅を身に感じた」
② 気持や考え、物事の傾向などの揺れ幅。
※中野重治論‐なかの・しげはる論(1946)〈荒正人〉「もちろん告白にも『蒲団』から『平凡』にいたる振幅はあった」

ふり‐はば【振幅】

〘名〙 (「振幅(しんぷく)」の訓読み) =しんぷく(振幅)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「振幅」の意味・わかりやすい解説

振幅
しんぷく
amplitude

物体の振動現象において、その振動の大きさを表す値。振動の幅の2分の1である。正弦波の場合、正弦波u振動数ν、波長λとするとき

となる。この場合、Aが振幅である。ここで、t時刻xは位置である。

[山本将史 2022年2月18日]

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百科事典マイペディア 「振幅」の意味・わかりやすい解説

振幅【しんぷく】

一般には振動する量について,振動の幅の半分をいう。単振動では振動の中心からの最大変動値。→振幅変調
→関連項目振動計波動

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「振幅」の意味・わかりやすい解説

振幅
しんぷく
amplitude

振動する量について,変動の幅の 1/2 をいう。振動数 (周波数) ,位相とともに振動を表わす主要な量。 a sin (ωt+ε) で表わされる単振動では,a が振幅である。通常,振幅は正の値をとる。

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普及版 字通 「振幅」の読み・字形・画数・意味

【振幅】しんぷく

ゆり幅。

字通「振」の項目を見る

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栄養・生化学辞典 「振幅」の解説

振幅

 振動現象において1周期の間の変化の最大値.

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世界大百科事典(旧版)内の振幅の言及

【振動】より

…またν=1/T=ω/(2π)は1秒間に振動が何回繰り返されるかを示す量で,振動数と呼ばれる。Aはつり合いの位置からの変位ξの最大値を示すもので,振幅と呼ばれる。αはt=0のときのξの値をきめる因子で,その値はおもりがどの位置にあったときから振動が始まったかによって定まる。…

【波動】より


[正弦波]
 波動方程式をみたす関数u(x,t)の中でもっとも簡単でしかも重要なものは,または,の形をもつもので,これを正弦波と呼ぶ。これらの式の中に現れる定数Aを振幅,ωを角振動数,vを位相速度,Tを周期,λを波長と呼ぶ。またω=2π/T,v=λ/Tであって,ν=1/T=ω/2πを振動数または周波数という。…

※「振幅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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