新古典派成長理論(読み)しんこてんはせいちょうりろん

世界大百科事典(旧版)内の新古典派成長理論の言及

【財政学】より

…これはフィスカル・ポリシーの理論の説くとおりであるが,加えて財政収支それ自体が経済変動を自動的に安定化するというビルトイン・スタビライザー(景気の自動安定化装置)が新概念として学界に認められた。財政の長期的側面では,1950年代後半にあらわれた新古典派成長理論は,資本と労働の代替を技術的に認めることにより,資本の完全利用と労働の完全雇用が保証されるとしたため,財政の強力な役割は想定されていない。
【財政学から公共経済学へ】
 1973年の第1次石油危機と79年の第2次石油危機により世界経済はスタグフレーション(インフレと不況の同時進行)に直面し,それに対する有効な解決策を提示できなかった。…

【資本論争】より

… それまでの数々の資本論争の再現ともいえるこの論争の根底には資本主義経済における生産と分配そして資本主義経済の発展自体を,どのような角度から分析するかについての対立がある。それは,いわゆる新古典派成長理論(経済成長)が資本主義経済を分析するための理論として妥当であるかをめぐる対立に明白に現れている。新古典派成長理論は,第1に将来についての期待はやがて裏切られるかもしれないという事実を無視して理論を構成する,第2に利潤は資本用役の価格であるとみなして分配理論を価格理論のうちに統合する,という二つの基本性格をもっている。…

【新古典派経済学】より

…元来はA.スミス,D.リカード,J.S.ミルらのイギリス古典派経済学に対して,限界革命以降のA.マーシャルを中心とするA.C.ピグーD.H.ロバートソンらのケンブリッジ学派の経済学を指す。 古典派(古典学派ともいう)と新古典派(新古典学派ともいう)との基本的な相違は,前者が商品の交換価値(〈価値〉の項参照)はもっぱらその生産に投下された労働価値によって決まるとしたのに対して,後者は価値の由来を生産費とならんで需要側の限界効用に求める点にある。…

【ソロー】より

…アメリカの経済学者。ニューヨークに生まれ,1951年にハーバード大学で学位を受けた。1950年以降マサチューセッツ工科大学で教鞭をとる。58年から同大教授。現代アメリカを代表する経済理論家の一人であり,ケネディ大統領の経済諮問委員会のシニア・エコノミストの一人としてケインズ政策の推進にも貢献した。ソローの最大の業績は,新古典派経済成長理論を創始したことにある。それは,資本と労働との間の代替を許す集計的生産関数の存在を仮定することによって,経済成長経路の不安定性を主張するハロッド=ドーマー型成長理論とは対照的に,経済が完全雇用を保ちながら均斉成長経路に長期的に収束する可能性を示した。…

※「新古典派成長理論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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