月島(読み)つきしま

精選版 日本国語大辞典 「月島」の意味・読み・例文・類語

つき‐しま【月島】

東京都中央区南部の地名隅田川河口にある人工島。明治一八年(一八八五倉田吉嗣が埋立工事を起工、同二五年に完成。築島。

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デジタル大辞泉 「月島」の意味・読み・例文・類語

つきしま【月島】

東京都中央区の地名。隅田川河口を埋め立てて、明治時代に造成された人工島。初め築島つきしまといったが、後に「月」の字を当てた。

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日本歴史地名大系 「月島」の解説

月島
つきしま

隅田川河口部の浚渫土をもって石川島いしかわじま佃島つくだじま南方に隣接した海浜が埋立てられてできた人工島。明治二〇年代半ば以降月島一号地(明治二五年竣工、現月島一―四丁目)、同二号地(同二七年竣工、現勝どき一―四丁目)、新佃島(同二九年竣工、現佃三丁目)、月島三号地(大正二年竣工、現勝どき五―六丁目)、同四号地(昭和六年竣工、現晴海一―五丁目)、月島漁業基地(同三八年竣工、現豊海町)などが造成された。これにより江戸時代に造成された佃島・石川島と当地域地続きとなった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「月島」の意味・わかりやすい解説

月島
つきしま

東京都中央区南部、隅田(すみだ)川河口にある地区。佃島(つくだじま)に続く低湿な三角州を基にして1885年(明治18)埋立てを開始し1892年完成した人工島。初め築島(つきしま)とよんだが、月島の美称にかえられた。佃島・石川島のあった佃が北東側に、勝どきと豊海(とよみ)が南西側にあり、あわせて一つの島となっている。南東側には朝汐運河を挟んで晴海(はるみ)(新月島)がある。水運がよく、東側は工場用地、西側は倉庫に利用されている。築地とは隅田川の勝鬨橋(かちどきばし)で、晴海運河対岸の江東(こうとう)区とは清澄(きよすみ)通りが通る相生(あいおい)橋で、それぞれ連絡している。

沢田 清]

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改訂新版 世界大百科事典 「月島」の意味・わかりやすい解説

月島 (つきしま)

東京都中央区,隅田川の河口にある人工島。佃島の地先に,明治中期から埋立てが始まり大正期になって完了した。北西部は隅田川に面し,南東部は朝汐運河をはさんで晴海(新月島)に接する。1893年に,佃島と江東の工業地帯を結ぶ相生橋が晴海運河に架橋され,これと第1次大戦前後の好景気とが相まって,金属・機械工業の中小工場が集まり始め,市街地化が進んだ。1940年に北西側対岸の築地との間に勝鬨(かちどき)橋(全長246mの可動橋。70年11月開閉停止)が架橋され,この間を1896年以来結んでいた〈月島の渡し〉は廃止されたが,京浜工業地帯との陸路交通が容易になり,月島の工業は大きく発展した。現在,北西部には主として倉庫群が立地し,南東側は工場地区になっているが,近年は工場や倉庫の他地域への転出が目だち,これらの跡地に高層住宅ができて,宅地化が進行している。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「月島」の意味・わかりやすい解説

月島
つきしま

東京都中央区南東部,隅田川河口に位置する埋立て地の名称,地区名。 1885年以来の埋め立てによって佃島に隣接して造成された。機械工場地帯で,倉庫や住宅も多い。下町の風情が残る地域。東京地下鉄有楽町線と都営地下鉄大江戸線の月島駅がある。

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