精選版 日本国語大辞典 「森川杜園」の意味・読み・例文・類語
もりかわ‐とえん【森川杜園】
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
江戸末期から明治の彫刻家。奈良の人。幼名友吉。幼少より絵画・彫刻に秀で、奈良彫り人形で知られる奈良一刀彫の名人。簡単な刀法で写実感を示す独特の彫技に新機軸を発揮した。1877年(明治10)第1回内国勧業博覧会に『蘭陵王(らんりょうおう)』『鹿(しか)』を、81年の第2回には『竜灯鬼』を出品して妙技一等賞を得た。動物、ことに鹿の制作に巧みで、93年のシカゴ万国博覧会には、73歳の老齢で『牝牡鹿(めすおすじか)』の大作を出品して気を吐いた。一面、古彫刻の模作にも長じ、75年には吉野如意輪(にょいりん)堂の扉を模造、92年には法隆寺九面観音(かんのん)像を模し、町田久成(ひさなり)に認められて正倉院宝物の模造にも従事、死の直前まで伝統的彫技を振るった。地方作家としては珍しい存在であった。
[佐藤昭夫]
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(山梨絵美子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
…題材を多く能,狂言にとり,彩色を施して仕上げた小人形で,荒削りの力強い表現に特色がある。江戸末期に森川杜園(1820‐94)が出て,好んで動物を彫り,名人といわれ,奈良特産の木彫工芸としてさらに広く知られるようになった。飛驒の一刀彫は,江戸末期に松田亮長(1799‐1871)によって大成されたとされ,イチイ材を用いた素木像で,亀,達磨,十二支などを根付,置物などに作った。…
※「森川杜園」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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