槍鉋(読み)やりがんな

精選版 日本国語大辞典 「槍鉋」の意味・読み・例文・類語

やり‐がんな【槍鉋・

〘名〙 (「やりかんな」とも) 鉋の一種。身が槍の穂先のようになっていて、わずかに反りをもたせた鉄製品。室町後期に台鉋ができる前のものをいう。それ以前はただ鉋といった。やり。
※俳諧・毛吹草(1638)一「鑓一 やり梅 やりかんな等の内に又一」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「槍鉋」の意味・読み・例文・類語

やり‐がんな【××鉋/×鐁】

《「やりかんな」とも》反った槍の穂先のような刃に長い柄を付けた鉋。突くようにして削る。室町時代に台鉋が現れるまで広く用いられ、今日では桶・たんす作りで使う前鉋がこの一種。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「槍鉋」の意味・わかりやすい解説

槍鉋
やりがんな

木材を削る工具。台がなく,槍の穂先に似ているのでこの名がある。先端が三角形になり,その両縁に刃をつけて,少しそりをもたせてある。突くようにして木材を削り平面に仕上げる。朝鮮遺跡から鉄製のものと青銅製のものが出ているが,日本のものはすべて鉄製。室町時代以前は唯一の鉋であったが,台鉋 (だいがんな) の伝来で姿を消した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

旺文社日本史事典 三訂版 「槍鉋」の解説

槍鉋
やりがんな

古代〜中世の木工具
やりの穂先の形をした刃で,ちょうな(一種のおの)で荒けずりした木材の平面を平らに仕上げる。江戸時代に台鉋ができるまで使用された。

出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android