機能的構音障害(読み)きのうてきこうおんしょうがい(英語表記)Functional Articulation Disorder

家庭医学館 「機能的構音障害」の解説

きのうてきこうおんしょうがい【機能的構音障害 Functional Articulation Disorder】

[どんな障害か]
 子どもは、ことばの発達にともなって少しずつ正しい発音を覚えていき、6歳前後でほぼすべての日本語の音のパターンを出し分けられるようになります。たとえば3~4歳の子どもが母親のことを「おかあしゃん」と呼ぶのは、正常な発達経過にみられる未熟な発音と考えられ、構音障害とはいいません。
 これに対し、発語器官に形の異常や運動障害がないにもかかわらず、その子どもの発達段階を逸脱し、ときには成人までもち越して固定した発音の誤りを、機能的構音障害といいます。
[検査と診断]
 ほかの原因による構音障害を見落とさないために、発語器官の形態と運動、聴力言語発達などの検査を行なって診断します。症状の詳しい把握には、言語聴覚士(げんごちょうかくし)による構音検査が必要です。
[治療]
 正常の発達過程を逸脱した発音で、放置すると年長までもち越して固定すると判断されると、言語聴覚士による訓練が行なわれます。

出典 小学館家庭医学館について 情報

世界大百科事典(旧版)内の機能的構音障害の言及

【構音障害】より

…しかし,同じ話し言葉の障害でも,失語症による障害は構音障害から除くのが慣例となっている。構音障害は機能的構音障害と器質的構音障害に大別される。機能的構音障害は,現在までのところ,原因となる器質的な異常がみられないもので,構音の技術が未発達であったり,拙劣で,いくつかの音の誤りが固定化した状態をいう。…

※「機能的構音障害」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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