正富汪洋(読み)まさとみおうよう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「正富汪洋」の意味・わかりやすい解説

正富汪洋
まさとみおうよう
(1881―1967)

詩人歌人。岡山県生まれ。本名由太郎。閑谷黌(しずたにこう)を経て上京哲学館(現東洋大学)に入学。与謝野(よさの)鉄幹の前夫人林滝野と結婚。車前草社(しゃぜんそうしゃ)同人として活躍。1918年(大正7)詩誌『新進詩人』を創刊、34年(昭和9)まで続け、奔放で自由な詩風であった。晩年は日本詩人クラブの発展に功績があった。初期の詩歌集『夏びさし』(1905)、『小鼓』(1906)、詩集豊麗な花』(1920)、『汪洋新詩集』(1922)、『月夜の海』(1924)、『世界の民衆に』(1925)のほか評論『明治の青春――与謝野鉄幹をめぐる女性群』(1955)がある。

[古川清彦]

『『正富汪洋全詩集』全一巻(1969・木犀書房)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「正富汪洋」の解説

正富汪洋 まさとみ-おうよう

1881-1967 明治-昭和時代の詩人,歌人。
明治14年4月15日生まれ。車前草社の同人となり,大正7年「新進詩人」を創刊。昭和25年日本詩人クラブを結成,「詩界」の編集にあたる。昭和42年8月14日死去。86歳。岡山県出身。哲学館(現東洋大)卒。本名は由太郎。著作に詩歌集「小鼓」,詩集「豊麗な花」など。

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