正統(読み)せいとう

精選版 日本国語大辞典 「正統」の意味・読み・例文・類語

せい‐とう【正統】

〘名〙
① 正しい系統。正当の血筋。嫡流。しょうとう
※中華若木詩抄(1520頃)上「漢の正統と思ふた也」 〔後漢書‐崔瑗伝〕
② 正しいすじみち。まともであること。
湯葉(1960)〈芝木好子〉「姥の面皮に似たるをもって、うばというのが正統の名だ」 〔欧陽脩‐正統論上〕

しょう‐とう シャウ‥【正統】

〘名〙 正しい系統。正当の血筋。嫡流(ちゃくりゅう)。せいとう。
※高野本平家(13C前)一「頼政卿は六孫王より以降(このかた)源氏嫡々の正棟(シャウトウ)
読本椿説弓張月(1807‐11)続「天孫氏二十五代一万七千八百二年の正統(セウトウ)、ここに断絶す」

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デジタル大辞泉 「正統」の意味・読み・例文・類語

せい‐とう【正統】

正しい系統・血筋。嫡流。「源氏の正統
創始者の教え・学説・思想などを正しく受け継いでいること。「保守正統を自認する」
その時代、その社会で最も妥当とされる思想や立場。「戦争中正統とされた思想」
[類語]嫡流直系正しい正格正則正調本式本格的正規正式公式格調格式品格品位風格おおやけ公的本物儀礼礼法礼式礼儀風儀作法よそ行き格式張る折り目正しいフォーマル本格本筋まっとう正道本道本流主流中正至当合理的合法的押しも押されもせぬれっきとちゃんとまとも道理道理至極腰を入れる本腰本腰を入れるレギュラーオーソドックスプロパー

しょう‐とう〔シヤウ‐〕【正統】

せいとう(正統)」に同じ。
「頼政卿は、…源氏嫡嫡の―」〈平家・一〉

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普及版 字通 「正統」の読み・字形・画数・意味

【正統】せいとう

正しい系統。漢・班固〔典引〕蓋(けだ)し以て當天の正統に膺(あた)り、克讓の歸を受く。炎上の烈火徳)をへ、孔佐の弘陳を(つつ)むと爾(しか)云ふ。洋洋乎たり(かくのごと)きの上儀なり。

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世界大百科事典(旧版)内の正統の言及

【イスラム】より

…他方シーア派の信者は,全ムスリム人口の10分の1を占めると推定され,イラン,イラク,パキスタン,レバノン南部に多く住み,その大多数は,サファビー朝(1501‐1736)によって国教とされた十二イマーム派に属する。 欧米でも日本でも,スンナ派はしばしば正統派と訳され,これに対してハワーリジュ派,シーア派は異端とみなされる傾向にある。しかし両者の関係は,キリスト教における正統と異端とは本質的に異なる。…

【異端】より

…ギリシア語hairesisに由来し〈分派〉を意味する語であるが,通常は特定の教義を信奉・標榜する団体において,正統教説に対立して,断罪・排除される立場,もしくはその主張者をさす。したがって,異端は,正統orthodoxyの対立物として定義されるかたわら,ことなった教義にもとづく敵対物たる異教とは区別される。…

※「正統」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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