デジタル大辞泉
「沖つ鳥」の意味・読み・例文・類語
おき‐つ‐とり【沖つ鳥】
[枕]
1 沖にいる水鳥の意から「鴨」にかかる。
「―鴨といふ舟の帰り来ば」〈万・三八六六〉
2 沖にいる水鳥「䳑鴨」と同音であるところから、地名の「味経」にかかる。
「―味経の原に」〈万・九二八〉
3 沖つ鳥の首を曲げて胸を見るようすから「胸見る」にかかる。
「黒き御衣をま具に取り装ひ―胸見る時」〈記・上・歌謡〉
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おきつ【沖つ】 鳥(とり)
[一] 沖にいる水鳥。
※壬二集(1237‐45)「沖つ鳥荒れゆくよはは
三島江のたまえの蘆間しめて鳴くなり」
[二] 枕
① 沖にいる鳥の意で「鴨」にかかる。
※
古事記(712)上・歌謡「意岐都登理
(オキツトリ) 鴨著
(ど)く島に 我が率寝し 妹は忘れじ 世のことごとに」
② 沖にいる鳥である
アジガモというところから「アジ」と同音を持つ地名「味経
(あぢふ)の原」にかかる。
※
万葉(8C後)六・九二八「奥鳥
(おきつとり) 味経
(あぢふ)の原に もののふの 八十伴
(やそとも)の男は いほりして」
③ 沖の鳥が首を曲げて胸毛をつくろう動作をするところから、自分の
服装をよく眺める意の「胸
(むな)見る」にかかる。
※古事記(712)上・歌謡「ぬばたまの 黒き
御衣(みけし)を まつぶさに 取り装ひ 淤岐都登理
(オキツトリ) 胸見る時 羽叩
(はたた)ぎも これは相応
(ふさ)はず」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報