浅ま(読み)アサマ

デジタル大辞泉 「浅ま」の意味・読み・例文・類語

あさ‐ま【浅ま】

[形動ナリ]
浅いさま。奥深くなくむき出しのさま。
「忍ぶ姿も現れて、―になりぬさりながら」〈謡・玉井
簡単で粗末なさま。
「是程に―なる平城ひらじゃうに、主上上皇を籠めまゐらせて」〈太平記・九〉
考えの足りないさま。浅はかであるさま。
「いづ方も、よく見ゆる由しりて出でたるも、―なる事なるべし」〈おきく物語

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「浅ま」の意味・読み・例文・類語

あさ‐ま【浅ま】

〘形動〙
① 水などの浅いさま。また、奥深い所にないさま。むきだしな感じであるさま。
※木工権頭為忠百首(1136頃)月「はし近くあさまにねやをしつらへて空行く月をはれぬ夜ぞなき〈源仲正〉」
平家(13C前)一一「無下にあさまに候。塩のひて候時は、陸と嶋の間は馬の腹もつかり候はず」
② 簡略または粗末であるさま。
※太平記(14C後)九「是程にあさまなる平城に、主上、上皇を籠め進(まゐ)らせて」
③ 浅薄であるさま。考えのたりないさま。あさはか。
※蓮如御文章(1461‐98)一「他門、他宗にむかひて、その斟酌もなく聊爾に沙汰するによりて、当流を人のあさまにおもふなり」

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