(読み)かた

精選版 日本国語大辞典 「潟」の意味・読み・例文・類語

かた【潟】

〘名〙
遠浅海岸で、潮の満干によって隠れたり現われたりする地。
万葉(8C後)一七・三九九三「射水川 水門(みなと)の渚鳥 朝凪(なぎ)に 可多(カタ)に 求食(あさり)し」
② 浦。湾。入り江。
③ 砂洲などが張り出して海と分離してできた湖や沼。多くは狭い水路で海に連なる。潟湖。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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デジタル大辞泉 「潟」の意味・読み・例文・類語

かた【潟】

砂州によって外海から分離されてできる海岸の湖。潟湖せきこラグーン。「河北
浦。入り江。湾。「松浦
遠浅の海岸で、潮が満ちると隠れ、引くと現れる所。干潟ひがた
[類語]沼沢湖沼泥沼古池溜め池貯水池人工池遊水池用水池水瓶ダム湖水淡水湖鹹水湖塩湖河跡湖三日月湖火口原湖火口湖陥没湖人造湖

せき【潟】[漢字項目]

[音]セキ(漢) [訓]かた
学習漢字]4年
〈セキ〉砂州で遮られてできた海辺の湖。「潟湖
〈かた(がた)〉「干潟ひがた

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「潟」の意味・わかりやすい解説


かた

内湾や浅海一部が、砂嘴(さし)や砂州、または沿岸州によって外海から切り離され、湖となった地形で、潟湖(せきこ)・ラグーンともいう。一般に水深は浅い。海水と陸水が混じり合い汽水をたたえるが、潮口を通して、干満に伴う外海水との交流が行われることが多く、塩分は時間的にも空間的にも大きく変化する。海底が比較的緩傾斜で潮差が小さい沿岸によく発達し、このため日本では太平洋側より日本海とオホーツク海沿岸に多くみられる。しだいに埋め立てられて海岸湿地となる場合や、人工的に排水されて埋め立てられることが多い。北海道のサロマ湖、石川県の河北潟(かほくがた)、干拓が進められた秋田県の八郎潟などは潟の典型的な例である。

[森 和紀]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「潟」の意味・わかりやすい解説


かた
lagoon

砂州によって外海から隔離された海岸の湖。浅海の砂が沿岸流などによって移動して砂州が形成され,内側が湖になる。潟は浅く,波が静かで,海と通じる口が狭いものほど塩分が少い。土砂の堆積によって,次第に浅くなり,淡水化して,やがて湿地となり,ついに海岸平野の一部になる。

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改訂新版 世界大百科事典 「潟」の意味・わかりやすい解説

潟 (かた)

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【ラグーン】より

…沿岸の浅海の一部が,砂州,沿岸州,砂嘴(さし)などにより外海と切り離され,浅い湖沼となったもので,潟(かた),潟湖(かたこ∥せきこ)とも呼ぶ。海水は1~数ヵ所より湖に流出入し,湖水は汽水となる。…

※「潟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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