瀬瀬（読み）セゼ

デジタル大辞泉

せ‐ぜ【瀬瀬】

《「せせ」とも》
１ 多くの瀬。
「宇治川の―のしき波しくしくに妹は心に乗りにけるかも」〈万・二四二七〉
２ その時々。折々。
「見し人の形代ならば身に添へて恋しき―のなで物にせむ」〈源・東屋〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

せ‐ぜ【瀬瀬】

〘名〙 (「せせ」とも)

① 多くの瀬。あちこちの瀬。

※催馬楽（７Ｃ後‐８Ｃ）貫河「貫河の世々(セセ)の やはら手枕 やはらかに」

※太平記（１４Ｃ後）三「木津川の瀬々(セゼ)の岩波早ければ懸けて程なく落る高橋」

② 折り折り。その時その時。

※源氏（1001‐14頃）早蕨「身を投げむ涙の川に沈みても恋しきせせに忘れしもせじ」

出典　精選版 日本国語大辞典