灯明(読み)トウミョウ

デジタル大辞泉 「灯明」の意味・読み・例文・類語

とう‐みょう〔‐ミヤウ〕【灯明】

神仏に供えるともしび。昔は油を、今はろうそくなどを用いる。みあかし。

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精選版 日本国語大辞典 「灯明」の意味・読み・例文・類語

とう‐みょう ‥ミャウ【灯明】

〘名〙
① 神仏に供える灯火。おおみあかし。みあかし。
※廬山寺文書‐天祿三年(972)五月三日・天台座主良源遺告「件庄地子上分、可充法華堂四季懺法間燈明料 夜別一燈」
源平盛衰記(14C前)二六「香花・燈明(トウミャウ)を備へ、例時懺法行(おこなひ)て」

ほ‐あかり【灯明】

〘名〙 灯火の明かり。ともしびの光。
幸木(1948)〈半田良平〉昭和一六年「高原を夜半過ぐる汽車灯明(ホアカ)りを草におとしてほのぼの温(ぬく)し」

とう‐めい【灯明】

〘名〙 灯火。あかり
東京日日新聞‐明治一九年(1886)一一月一三日「右大島の東端於ては燈明を認め得べきなりしが」 〔後漢書‐党錮伝賛〕

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普及版 字通 「灯明」の読み・字形・画数・意味

【灯明】とうめい

灯火の明り。唐・杜甫〔日暮〕詩 石泉壁にれ 露、根に(したた)る 頭は白し、燈の裏(うち) 何ぞ須(もち)ひん燼(灯花)の(おほ)きを

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「灯明」の意味・わかりやすい解説

灯明
とうみょう

神前仏前に献じる灯火のこと。「みあかし」ともいう。経典中には、仏塔仏像、あるいは経巻の前に灯(ひ)をともすことには大きな功徳(くどく)があるとして、これを賛嘆しており、『施灯功徳経』では、仏滅後に塔寺で灯を供養せば死して三十三天に生ずと説かれている。中国や日本で仏堂や仏壇にかならず灯明をあげるのは、こうした経説に基づくといえる。灯は燃料によって、古くは脂、膏(こう)、蘇(そ)、油、漆(うるし)、蝋(ろう)、明珠(めいしゅ)など7種(あるいは10種)あったとされる。現在はろうそくが多く用いられ、燭台(しょくだい)、灯台、灯籠(とうろう)などでともす。昼夜ともし続けるのを常夜灯、多くの灯をともして行う法会を万灯会(まんどうえ)または万灯供養という。また、貧者の一灯は長者の万灯に勝ることが経典に記されている。

[岡部和雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「灯明」の意味・わかりやすい解説

灯明
とうみょう

(1) 仏の前に捧げる灯火。あかし。油またはろうそくを用いる。灯火は闇 (迷妄) を明るくすることから智慧にたとえられる。 (2) 涅槃の異名。

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葬儀辞典 「灯明」の解説

灯明

神仏に供える火。浄火なので火を消すときは、息で吹き消さずに手や扇であおいで消します。

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