片岡仁左衛門(8代)(読み)かたおか・にざえもん

朝日日本歴史人物事典 「片岡仁左衛門(8代)」の解説

片岡仁左衛門(8代)

没年:文久3.2.16(1863.4.3)
生年:文化7(1810)
江戸後期の歌舞伎役者。7代目仁左衛門の養子俳名李童,我童など。初名市川新之助。前名三枡岩五郎,嵐橘次郎,片岡我当,2代目我童。上方で子供芝居と大芝居の中間に位置する中芝居で色立役として人気をとる。養父の病没後大芝居で「けいせい浜真砂」の鮒屋源五郎,「伊賀越道中双六」の誉田内記,夕霧狂言の伊左衛門などで大当たりし,安政1(1854)年,45歳ではじめて江戸下り。その年自殺した8代目市川団十郎に似ているとして広く人気が出た。4年,8代目を襲名色気のある上品な美男で,文化文政期の立役の名優2代目嵐吉三郎の芸風を継承した。片岡仁左衛門名跡は平成期まで13代を数える。

(松平進)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「片岡仁左衛門(8代)」の解説

片岡仁左衛門(8代) かたおか-にざえもん

1810-1863 江戸時代後期の歌舞伎役者。
文化7年生まれ。2代嵐璃寛(りかん)の門にはいり,7代仁左衛門の養子となり片岡我当(初代)を名のる。養父の没後,2代片岡我童と改名,3代中村芝翫(しかん)や初代実川延三郎とともに立役(たちやく)の花形となった。安政4年8代仁左衛門を襲名。色立役を得意とした。文久3年2月16日死去。54歳。初名は市川新之助(6代)。俳名は李童,我童,芦燕。屋号松島屋

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android