精選版 日本国語大辞典 「猫柳」の意味・読み・例文・類語
ねこ‐やなぎ【猫柳】
〘名〙 ヤナギ科の落葉低木。各地の水辺に生じ、また、観賞用に庭木ともされる。高さ〇・五~三メートル。枝は叢生し小枝は長く灰白色の軟毛があるが後無毛となる。葉は長さ七~一三センチメートルの革質長楕円形で縁に細鋸歯(きょし)がある。托葉は半月形。雌雄異株。早春、葉に先だって単性の花穂を出す。花穂は長楕円形で長さ四センチメートル内外で絹糸状の白毛を密生し、雄花は二本の雄しべと一個の腺体がある。冬芽は楕円形で大きく目立つ。最も普通にみられるヤナギで、また、日本産のヤナギの中で最も早く開花するものの一つ。花穂は、芽鱗を脱するとすぐ銀白色に光る。古来から人々の観賞するところとなり、俗称も多く、江戸時代の本草家が「かわやなぎ(川柳)」と称しているものの主体をなすのは本種と思われる。花穂を猫の尾にたとえてこの名がある。かわやなぎ。えのころやなぎ。たにがわやなぎ。《季・春》 〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
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