家庭医学館 「皮下気腫/縦隔気腫」の解説
ひかきしゅじゅうかくきしゅ【皮下気腫/縦隔気腫 Aerodermectasia / Mediastinal Emphysema】
胸にけがをし、破損した肺や気管からもれた空気が皮下組織にたまるのが皮下気腫(ひかきしゅ)です。気管や気管支が断裂した場合は、左右の肺にはさまれた部位(縦隔)にもれた空気がたまります。これを縦隔気腫(じゅうかくきしゅ)といいます。
[症状]
皮下気腫の場合は、胸やくびに空気がたまり、そこがふくらんで強く痛みます。触ってみると、雪をにぎったようなサクサクとした感じがします。ときには、この症状が、顔から下肢(かし)(脚(あし))にいたるまでの全身におこることもあります。そのほか、胸痛や呼吸困難もおこります。
縦隔気腫は、胸痛、呼吸困難のほかに、さまざまな症状が現われます。
どちらにしても、生命にかかわります。一刻も早く救急病院へ運ぶことが必要です。
[治療]
程度が軽ければ、胸腔(きょうくう)ドレナージ(胸腔内にチェストチューブを挿入し、たまっている空気を抜く)を行ない、安静にしていれば2~3週間で治ります。胸腔ドレナージで効果がなければ、開胸して、破損部位を縫合(ほうごう)する手術が必要です。