精選版 日本国語大辞典 「穏便」の意味・読み・例文・類語
おん‐びん ヲン‥【穏便】
〘名〙 (形動)
① 穏やかなこと。尋常であること。また、事を荒だてたり、過激な措置をとったりしないさま。
※続日本紀‐天平勝宝六年(754)七月丙午「欲レ使二寝膳如レ常、起居穏便一」
※義経記(室町中か)三「初の景気今の風情相違して見えたり。されば人には馴れて見えたり。をんびんの者にてありけるや」
② 静かなこと。また、そのさま。
※正法眼蔵(1231‐53)行持下「独子ゆきて、穏便のところに坐禅す」
③ 簡単なこと。手軽なこと。便利なさま。
※雑談集(1305)三「悦て下人に隠して穏便(ヲンビン)の器物に入て」
④ 内証にすること。隠しておくさま。
※洒落本・色講釈(1801)「おいらが事はけしておんびんだよ」
※悉曇蔵(880)五「凡呼二連字一上下二音相当謂為二穏便一」
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