精選版 日本国語大辞典 「筋腫」の意味・読み・例文・類語
きん‐しゅ【筋腫】
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筋肉組織から発生する腫瘍(しゅよう)で、良性の非上皮性腫瘍に含まれ、平滑筋線維からなる平滑筋腫と、横紋筋線維からなる横紋筋腫とに分類される。平滑筋腫は球状ないしは塊状で、横に切ってみると、いわゆる唐草(からくさ)模様が明瞭(めいりょう)であるが、顕微鏡下では、種々の方向に走る平滑筋線維からなることがわかる。平滑筋腫は子宮に発生することがもっとも多く、消化管の筋層などにもしばしば発生する。子宮筋腫は30歳以上の女性にみられ、月経が閉止する時期の前にもっとも大きく発育する。臨床症状を現さないこともあるが、大きいものでは圧迫症状や不正出血、月経過多による貧血、心臓拡張などの筋腫心とよばれる状態を示す。子宮筋腫の中に子宮内膜組織を認めることがあるが、これは腺(せん)筋腫とよばれる。一方、横紋筋腫はグリコーゲンに富み、心筋、舌、食道などにみられるが、まれな腫瘍である。
[渡辺 裕]
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