(読み)タカンナ

デジタル大辞泉 「筍」の意味・読み・例文・類語

たかんな【×筍/×笋】

《古くは「たかむな」とも表記タケノコ古名。たこうな。
雪中の―、師走やまももも」〈著聞集一八

たこうな〔たかうな〕【×筍】

たかんな」の音変化。
「―をつと握り持ちて」〈横笛

たかむな【×筍/×笋】

たかんな

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精選版 日本国語大辞典 「筍」の意味・読み・例文・類語

たかむな【筍】

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改訂新版 世界大百科事典 「筍」の意味・わかりやすい解説

筍 (たけのこ)

タケ類の地下茎から出る幼茎。古くは〈たかんな〉といい,〈笋〉とも書く。ふつう先端地表に現れるころ掘り出して食べる。モウソウチクハチクのものが多く,東北,北海道では主としてホテイチクネマガリダケなどの細いたけのこを食べる。しかし,《本朝食鑑》(1697)が,〈今本邦食する所の筍は苦竹,淡竹,長間竹の筍なり〉と,食用にされるのはマダケ,ハチク,シノダケのものだとしているように,明和安永(1764-81)以降モウソウチクの栽植が進むまでは,たけのこといえばだいたいマダケとハチクのそれであったらしい。京都産のたけのこは古くから美味をうたわれ,とくに醍醐蒸筍(むしたけ)は有名なものであった。これは皮をつけたまま蒸したもので,刺身につくって白酢で食べるのがよいとされた。白酢は豆腐にケシの実を加えてすり,酢でのばすというものである。たけのこは掘りたてがよく,時間がたつにつれてかたくなり,味も落ちる。そのため,調理にあたってはまずゆでてあく抜きすることが多い。料理としては,ワカメとともに炊き合わせる若竹煮,それをすまし汁仕立てにする若竹汁,木の芽(きのめ)みそであえる木の芽あえなどのほか,すしやまぜ飯の具,てんぷらなどにもされる。中国料理でもいため煮やあんかけに多用される。中華そばの具などにされるメンマはマチク(麻竹)のたけのこをゆでて乾燥したのち,発酵させたものである。
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百科事典マイペディア 「筍」の意味・わかりやすい解説

筍【たけのこ】

タケ類の地下茎に生ずる若芽。食用。モウソウチクは良質のたけのこを生じ最も一般的。ほかにマダケハチク,中部・東北地方のチシマザサ(ネマガリダケ)などのたけのこが美味。先端が地上に出たころ掘り出し地下茎の接着部から切り取る。まずゆでてあく抜きをしてから調理する。味は淡泊で吸物,煮物,和物(あえもの),たけのこ飯,メンマなどにする。
→関連項目タケ(竹)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「筍」の解説

筍 (タカムナ・タカンナ;タコウナ)

植物。タケノコの古名

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【タケ(竹)】より

…けとかと通ず。筍(たかんな)は旬日の間に長じて,高き事天にそびゆ。是草の中いと高き物也〉と説明する。…

※「筍」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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