粟粒(読み)ぞくりゅう

精選版 日本国語大辞典 「粟粒」の意味・読み・例文・類語

ぞく‐りゅう ‥リフ【粟粒】

〘名〙
① 粟(あわ)穀粒あわつぶ。
※京大本湯山聯句鈔(1504)「粟粒堯天大、碑文湛輩湮。一粒粟中蔵世界と云句あり」
黄表紙・金々先生栄花夢(1775)序「一生の栄花も、邯鄲のまくらの夢も、ともに粟粒(ゾクリウ)一すひの如し」
② あわつぶのように小さいもの。
一夜(1905)〈夏目漱石〉「粟粒芥顆のうちに蒼天もある、大地もある」
③ 寒さや恐怖で、膚に生じる、①のようなもの。
※妾の半生涯(1904)〈福田英子〉二「寒からざるに、肌に粟粒(ゾクリフ)を覚ゆる事数々(しばしば)なり」

あわ‐つぶ あは‥【粟粒】

〘名〙 粟の実。粟の粒。非常に小さい物のたとえに用いることが多い。あわつび。
※清原国賢書写本荘子抄(1530)一「大なくらの内に粟(アワ)つふ一粒程も有まいぞ」
伊豆踊子(1926)〈川端康成〉一「私は肌に粟粒を拵へ、かちかちと歯を鳴らして身顫ひした」

あわ‐つび あは‥【粟粒】

※法華義疏長保四年点(1002)一「数たの苙(アハツヒ)地に堕ちき」

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デジタル大辞泉 「粟粒」の意味・読み・例文・類語

ぞく‐りゅう〔‐リフ〕【×粟粒】

あわの粒。あわつぶ。また、非常に小さい物のたとえ。「粟粒大」

あわ‐つぶ〔あは‐〕【×粟粒】

アワの実の粒。きわめて小さいもののたとえに用いる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「粟粒」の読み・字形・画数・意味

【粟粒】ぞくりゆう(りふ)

もみつぶ。唐・杜牧〔阿房宮の賦〕釘頭(りんりん)たるは、(くら)に在るの粟粒よりも多し。

字通「粟」の項目を見る

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