けっ‐く【結句】
[1]
※
愚管抄(1220)四「ひしと結句をばしろしめつつ御さたはある事なれば」
[2] 〘副〙
① 物事が最後にゆきついた状態を表わす語。
とどのつまり。あげくのはて。結局。
※平仮名古活字三巻本宝物集(1179頃)下「酒にゑひて
本心をうしなふゆゑに、人のめををかし、けっく庭鳥をぬすみてころしける」
② 物事の状態が、予想していたのとは
反対に、あるいは予想以上に発展するさまを表わす語。かえって。むしろ。その上。
※
曾我物語(南北朝頃)七「
五郎は、ゆるさるる事はかなはで、けっく、後の世までと、ふかく勘当せられて」
[
語誌](1)(一)①が本来の
用法と思われるが、
鎌倉時代以前に
用例を見出すことは難しく、わずかに
挙例の「歌経標式」が見られるにすぎない。
(2)鎌倉時代においては、「結句」の
前文と
後文とで、
主語が異なる場合には(二)①の意になることが多く、主語が同一の場合には(二)②の意になることが多かったが、
室町時代になると、主語が同一でありながら(二)①の意を表わす例が多くなってくる。現在、(二)①の意を表わす
副詞としては
通常「結局」が用いられるが、これが一般化するのは明治以降のことである。→「
けっきょく(結局)」の語誌
け‐く【結句】
〘副〙 (「けっく(結句)」の変化した語) かえって。むしろ。また、あげくのはて。結局。
※
評判記・
色道大鏡(1678)四「おとこ面目なくて佗言の
沙汰に及ばず、けく腹立する物なり」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「結句」の意味・読み・例文・類語
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普及版 字通
「結句」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
世界大百科事典(旧版)内の結句の言及
【短歌】より
…5・7・5・7・7を上3句(5・7・5)と下2句(7・7)とに分け,前者を〈上句(かみのく)〉,後者を〈下句(しものく)〉と呼ぶ。第1句(5)を初句,頭句,起句,第2句(7)を胸句,第3句(5)を腰句,第5句を結句,尾句,落句などと呼んでいる。5句31拍に合わない作を〈破調〉といい,長すぎるものを〈字あまり〉,短いものを〈字足らず〉と呼ぶ。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」