臼杵(読み)ウスキ

デジタル大辞泉 「臼杵」の意味・読み・例文・類語

うすき【臼杵】

大分県東部の市。永禄6年(1563)大友宗麟おおともそうりん築城江戸時代稲葉氏城下町。味噌・醤油・酒類醸造業が盛ん。人口4.1万(2010)。

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精選版 日本国語大辞典 「臼杵」の意味・読み・例文・類語

うすき【臼杵】

[一] 大分県東部、臼杵湾に臨む地名。永祿年間(一五五八‐七〇大友宗麟(そうりん)の築城以来、ポルトガル人との交易で繁栄した。江戸時代以降は稲葉氏五万石の城下町。特別史跡臼杵石仏がある。昭和二五年(一九五〇市制
[二] 宮崎県北部にあった郡。明治一七年(一八八四)東臼杵・西臼杵の二郡に分かれた。

うす‐きね【臼杵】

〘名〙 子供の遊戯道具の一つ。長い板の中央枕木で支え、板の両端に人が乗って交互に上下するもの。今のシーソーのようなもの。いたまい。〔随筆・嬉遊笑覧(1830)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「臼杵」の意味・わかりやすい解説

臼杵[市] (うすき)

大分県東部にある市。2005年1月旧臼杵市と野津(のつ)町が合体して成立した。人口4万1469(2010)。

臼杵市北部の旧市。1950年臼杵町と海辺(あまべ)村が合体,市制。人口3万5786(2000)。豊後水道西岸最北部の湾入臼杵湾に面し,湾頭の臼杵川河口の旧臼杵城下町を中心に市街地が発達している。明治以降,北海部地方の政治・経済の中心として栄え,1909年日豊本線が通じた。藩政時代から続く伝統のあるみそ・しょうゆ工場と,第2次世界大戦後進出したウィスキー工場のある醸造の町として知られ,そのほかにタバコ,造船などの工場もある。1970年,大阪セメントの日比ひび)海岸誘致に対する突棒漁業基地風成(かざなし)集落の反対運動は激しく,これによって誘致は実現しなかった。国道217号線が通り,東九州自動車道のインターチェンジがある。中心市街地から臼杵川をさかのぼること約4km,深田・中尾地区には平安時代後期の様式を示す臼杵磨崖仏(特史・重文)がある。
執筆者:

豊後国海部郡の城下町。城下町としての端緒は,戦国時代末期の1562年(永禄5)ころ,大友宗麟の築造した丹生島(にゆうじま)城にあり,臼杵湾の奥部,臼杵川河口部右岸という立地条件により,南蛮貿易港として繁栄し,唐人町などが形成された。大友氏改易後は,福原直高,太田一吉と城主は交代したが,1600年(慶長5)以降は,稲葉氏5万余石の城下町として繁栄した。1593年(文禄2)の太閤検地では〈惣町屋敷〉として,臼杵唐人町,畳屋町,唐人町懸ノ町,海添中町,横浜町,吉水小路片町,浜町,菊屋町,横町,祇園州之内の10町(高合計130石余)で構成されていた。その後,1597年には,横浜町,菊屋町が本町となり,1617年(元和3)ころから新町が誕生し,27年(寛永4)には,隣接する仁王座村から田町が分離し,海添中町,吉水小路片町は侍町となった。この結果,朱印状などでは〈町屋敷村〉とされる唐人町,畳屋町,横町,浜町,懸(掛)町,本町,新町,田町の〈町八町〉が確定した。70年(寛文10)の町屋敷291,人数2380,1740年(元文5)の町屋455,1817年(文化14)の家数626,人数2517,49年(嘉永2)の戸数697と近世を通じてほぼ順調に家,人口数が増加している。〈町八町〉は,行政上,町奉行の下に町政責任者として町年寄,その補佐役としての十人頭が各町ごとに配置された。1768年(明和5)からは監察役として町目付が設けられた。町八町に隣接する平清水(ひらそうず)は,19世紀に入ると商業経営について〈八町同然〉の扱いをうけた。臼杵は,今も城下町の雰囲気を伝える町並みを残している。
執筆者:

臼杵市南部の旧町。旧大野郡所属。人口9700(2000)。大野川の支流野津川が北流し,北東は旧臼杵市に接する。中世は国衙(こくが)領の野津院に属し,のち大友氏領となり,天正期(1573-92)ごろキリシタンは3500人を数えたという。中心の野津市(のついち)は臼杵と三重を結ぶ街道が日向街道(国道10号線)と交わる地にあり,市場町として発達した。丘陵地でタバコや野菜の栽培,野津川の河谷で米作が行われ,畜産やシイタケ栽培も活発である。寺小路に磨崖クルス,各地にキリシタン墓が残る。野津川上流には風連鍾乳洞(天)がある。笑話吉四六(きつちよむ)の主人公はこの地に実在した広田吉右衛門といわれ,その墓がある。
執筆者:

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普及版 字通 「臼杵」の読み・字形・画数・意味

【臼杵】きゆう(きう)しよ

きねとうす。〔易、辞伝下〕木を斷(き)りて杵と爲し、地を掘りて臼と爲し、臼杵の利、民以て濟(すく)ふ。

字通「臼」の項目を見る

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