花扇(読み)はなおうぎ

精選版 日本国語大辞典 「花扇」の意味・読み・例文・類語

はな‐おうぎ ‥あふぎ【花扇】

〘名〙 近世宮中行事。七夕に陽明家(近衛家)から、宮中に女使いが献上した花。七種の草花を末広形に束ね、もと檀紙に包んだ形象からいう。けせん。
※後奈良院御撰何曾(1516)「四季のさきに鬼あり、花あふぎ」

け‐せん【花扇】

〘名〙 毎年七夕(たなばた)の朝、陽明家(近衛家)から宮中に献上した花束。種々の草花をたばねて檀紙(だんし)で包み、水引扇形に飾ったもの。室町時代に始まるという。はなおうぎ。《季・秋》
梅津政景日記‐慶長一七年(1612)六月一一日「残候介兵へ道具、けせん弐牧、かく大小三つ、鑓三丁、羽内記所よりうけ取候」

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デジタル大辞泉 「花扇」の意味・読み・例文・類語

はな‐おうぎ〔‐あふぎ〕【花扇】

7種の草花を束ねて扇の形に作り、檀紙だんしで包み、水引をかけた花束。近世、七夕に近衛家から宮中に献上された。けせん。

け‐せん【花扇】

はなおうぎ」に同じ。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「花扇」の解説

花扇 はなおうぎ

?-? 江戸時代後期の遊女
江戸新吉原の扇屋宇右衛門(五明楼)の抱え太夫(たゆう)。寛政(1789-1801)のころ美人として喜多川歌麿浮世絵にもえがかれ,衣装道楽として知られる。歌才があり,加藤千蔭和歌をまなんだ。

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