荒荒(読み)アラアラ

デジタル大辞泉 「荒荒」の意味・読み・例文・類語

あら‐あら【荒荒】

[副]《形容詞「あら(荒)し」の語幹を重ねた形》荒々しく振る舞うさま。乱暴なさま。
「―と申して追っ帰して候」〈謡・春栄

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「荒荒」の意味・読み・例文・類語

あらあら‐し・い【荒荒】

〘形口〙 あらあらし 〘形シク〙 (「あらあらし(粗祖)」と同語源)
① 物の動きや人の心、行動などが、あたりかまわず、はげしい。いかにも荒っぽい。ひどく乱暴だ。猛烈だ。
※宇津保(970‐999頃)国譲上「いとかたじけなくあはれにも思ひきこゆれど、おそろしくあらあらしきを心もたまへるこそ
油地獄(1891)〈斎藤緑雨〉一五「淀文の梯子を荒々(アラアラ)しく踏んで」
② 手ざわりなどが、ごつごつした感じである。
※能因本枕(10C終)四七「枝ざしなどの、いと手触れにくげにあらあらしけれど」
③ こまやかな心づかいがない。粗野だ。ぶこつだ。
※枕(10C終)二四五「いみじくあらあらしくうたてあれば、殿上人女房、『あらはこそ』とつけたるを」
あらあらし‐げ
〘形動〙
あらあらし‐さ
〘名〙

あら‐あら【荒荒】

〘副〙 (多く「と」を伴って用いられる) 荒々しいさま、乱暴なさま、粗雑なさまを表わす語。
太平記(14C後)三九「猶雪の如くなる御足に、荒々(アラアラ)としたる鞋(わらぢ)を召されて」
※俳諧・伊勢山田俳諧集(1650)利清「舞納めたる袖は冷しあらあらと芝居に風の吹付て〈利清〉」

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