荻原雲来(読み)おぎわらうんらい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「荻原雲来」の意味・わかりやすい解説

荻原雲来
おぎわらうんらい
(1869―1937)

明治~昭和期の浄土宗の僧。号は独有。和歌山県海部(あま)郡(和歌山市)の土橋次郎の次男として生まれる。幼名は竹治郎。師僧荻原雲台のもとで得度し、師の姓を継いだ。1899年(明治32)ドイツに6年間留学、梵語(ぼんご)学を専攻。帰国後、宗教大学(現、大正大学)教授となり、仏教梵語を教え、多くの弟子を養成した。『梵文瑜伽師地論菩薩地(ぼんぶんゆがしじろんぼさつじ)』『梵文称友(しょうゆう)造 阿毘達磨倶舎論疏(あびだつまくしゃろんしょ)』をはじめ数多くの著書を刊行し、とくに『漢訳対照梵和大辞典』の編纂(へんさん)に努力したが、生前には完結せず、1978年(昭和53)完全な形で刊行された。

[石上善應 2017年5月19日]

『『荻原雲来文集』増補版(1972・山喜房仏書林)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「荻原雲来」の解説

荻原雲来 おぎわら-うんらい

1869-1937 明治-昭和時代前期の僧,サンスクリット学者。
明治2年2月10日生まれ。浄土宗。明治32年ドイツに留学,E.ロイマンに師事し仏典を研究した。帰国後,宗教大(現大正大)教授,芝中学校長,東京帝大講師などを歴任。浅草誓願寺住職。昭和12年12月20日死去。69歳。紀伊和歌山出身。浄土宗宗学本校卒。著作に「梵漢対訳仏教辞典」など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「荻原雲来」の意味・わかりやすい解説

荻原雲来
おぎわらうんらい

[生]明治2(1869).2.10. 和歌山,田辺
[没]1937.12.20.
サンスクリット語学者。浄土宗の僧。浄土宗学本校を卒業し (1896) ,1899年ドイツに留学,ストラスブール大学の E.ロイマンにサンスクリット語を学び,多数原典および翻訳を刊行。遺稿集『荻原雲来文集』がある。

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