蒸解(読み)ジョウカイ

デジタル大辞泉 「蒸解」の意味・読み・例文・類語

じょう‐かい【蒸解】

化学パルプを製造するため、木材チップ加熱・加圧し、硫化ナトリウムなどの薬剤で木材に含まれるリグニン溶解・除去すること。蒸煮じょうしゃ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「蒸解」の解説

蒸解
ジョウカイ
cooking

化学パルプセミケミカルパルプの製造において,パルプ原料である木材チップに蒸解液を加え,加熱,加圧下でおもにリグニンを溶解,除去する操作をいう.過度の蒸解ではセルロース劣化が避けられないため,蒸解条件の最適化が重要である.蒸解の進行は脱リグニン度,パルプ収率,パルプの強度的性質で評価する.バッチがまと連続がまがあるが,大規模工場では,通常,後者が使用される.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の蒸解の言及

【パルプ】より

…クラフトパルプは苛性ソーダと硫化ナトリウムを主成分とする薬液をチップに加え,約170℃に加熱してリグニンおよび一部のヘミセルロースを溶出して作る。これを蒸解または蒸煮という。原料の種類やパルプの用途により薬液濃度および加熱時間が異なり,2時間以内でパルプ化できるものもある。…

※「蒸解」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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