藤雅三（読み）ふじ・まさぞう

朝日日本歴史人物事典

藤雅三

没年：1916.12(1916.12)
生年：嘉永6(1853)
明治大正期の洋画家。豊後国(大分県)臼杵生まれ。帆足杏雨に南画を学んだのち上京,明治9(1876)年工部美術学校に入学し,フォンタネージ,サン・ジョヴァンニに指導を受けた。14年第2回内国勧業博覧会にコンテ画を出品,またこのころ,久米桂一郎らに擦筆画を教えた。18年工部省留学生として渡仏,パリでラファエル・コランに師事し,黒田清輝を知る。20年パリのサロンに入選。その後,セーヴルの製陶所に勤め,さらにアメリカへ渡り陶器製造会社の図案を手がけたりした。油彩画に「フランス風景」がある。アメリカで没。

(三輪英夫)

出典　朝日日本歴史人物事典：（株）朝日新聞出版

デジタル版 日本人名大辞典+Plus

藤雅三 ふじ-まさぞう

1853－1916　明治時代の洋画家。
嘉永(かえい)6年3月15日生まれ。帆足杏雨(ほあし-きょうう)に文人画をまなんだのち,工部美術学校に入学。明治18年工部省留学生としてフランスへわたり,ラファエル=コランに師事。セーブルの製陶所で研究後,アメリカで陶器工場の図案主任となり大正5年12月同地で死去。64歳。豊後(ぶんご)(大分県)出身。

出典　講談社