精選版 日本国語大辞典 「角書」の意味・読み・例文・類語
つの‐がき【角書】
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
浄瑠璃(じょうるり)、歌舞伎(かぶき)の名題(なだい)(外題(げだい))や書物の題名の上に、その内容や主題を示す文句、あるいは男女の名を、二行に割って書いてあるものをいう。たいていは対句(ついく)になっている。浄瑠璃では1711年(正徳1)の『忠兵衛/梅川 冥途(めいど)の飛脚(ひきゃく)』、1715年の『父は唐土/母は日本 国性爺合戦(こくせんやかっせん)』、歌舞伎では1701年(元禄14)の『浅黄綌(げき)/黒小袖 兵根元曽我(つわものごんげんそが)』が古い例である。幕末の歌舞伎について記した『伝奇作書』には「角外題とは大外題の肩に書くを云(いい)、割外題とは大外題の脇(わき)に書くをいふ」とある。ほかに『東海/道中 膝栗毛(ひざくりげ)』『牛店/雑談 安愚楽鍋(あぐらなべ)』など。
[山本二郎]
…17世紀後半,縁起を重んじて字数を奇数に整える習慣を生じ,七五三の文字数が好んで用いられたが,その結果,無理な造字が行われることもあった。名題の上に添えて内容を示唆する短い対句を〈角書〉,また,看板や番付で,名題の上に,作品の概要を美文調で記したものを〈語り〉と呼ぶ。名題には,作品の趣旨を表す〈大(おお)名題〉,各幕に付ける〈小(こ)名題〉,劇中,出語りで演奏される浄瑠璃などのための〈浄瑠璃名題〉,所作事のための〈所作名題〉,二番目狂言に付ける〈二番目名題〉の別がある。…
※「角書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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