認知症疾患医療センター(読み)にんちしょうしっかんいりょうせんたー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「認知症疾患医療センター」の意味・わかりやすい解説

認知症疾患医療センター
にんちしょうしっかんいりょうせんたー

認知症患者や家族が安心できる生活のための支援の一つとして、都道府県および指定都市が指定する認知症専門の医療機関。厚生労働省が2008年(平成20)から創設を進めている。都道府県を範囲とする「基幹型」は大学や総合病院で、二次医療圏ごとの「地域型」は精神科だけの病院も対象になる。同省は2012年に認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)を公表し、「診療所型」の認知症医療支援診療所も認定することにした。基幹型、地域型は、専門医、専門看護師、精神保健福祉士、臨床心理技術者などの専門家をそろえ、画像診断、神経心理学的な検査などから認知症を総合的に診断、評価し、認知症に伴う精神症状や異常行動を治療し、地域のかかりつけ医や病院と連携して診療する。また、常時、患者や家族からの相談を受け、地域の医療機関の紹介、さらには、専門職の研修、地域包括支援センターなど介護機関との連携、住民への啓発なども行う。基幹型は救急にも対応し、診療所型は人口6万人以下の二次医療圏で研修免除を行うなど役割分担がある。2013年10月の時点で、基幹型11か所、地域型226か所があり、厚生労働省は診療所型をあわせて500か所を目ざしている。

田辺 功]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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